一九四五(昭和二〇)年の火葬率は三〇%。火葬のために重油を浪費するなど、戦時中には言語道断だったであろう。しかし、本当は、火葬にも土葬にもされなかった、つまり誰のものとも特定できない遺体が多かったのではなかろうか。日清、日露戦争時には戦死者の遺体を送り返すべくつとめてきた軍も、日中戦争以降は現地で火葬にした遺骨を送り返すようになり、アジア太平洋戦争末期には遺骨も戻らなくなった。「霊璽」(死者の霊)の名目で帰還したのは、名前を書いた紙切れだけ。名誉の戦死をとげた遺骨のない「英霊」の町葬や村葬がほうぼうで開かれた。靖国神社で行われた「招魂式」も、霊璽簿(要するに戦死者の名前を記したただの名簿)を「御羽車」なる大げさな輿にのせ、神職や軍人らが本殿へと向かう、バーチャルな国葬だった。
仏事に欠かせない数珠は念珠ともいい、人間の煩悩を表す一〇八個の玉が連なっているのが正式のものとされる。宗派によって用い方や種類にちがいはあるが、必ずそれでなくてはならないということではない。一般的には二重にして持つ「二輪念珠」と、玉の数を半分にした「単念珠」が使われている。素材はプラスチックの安いものから、ヒスイや水晶など高価なもの、少しサイズの大きい男性用には木の実を使ったものなどさまざま。房や玉房がつけられているが、これも合繊もあれば絹もあり、玉の素材のランクに合わせてあることが多い。短い数珠を持つときは、房が真下にくるよう、両手を合わせた親指と人さし指のあいだにかけ、合掌のときは親指で軽く押さえるとよい。長いものは、ひとひねりして短い数珠と同じように親指と人さし指のあいだにかけるか、両手の中指にかけて両手のあいだに挟む。焼香の際など片手で持たなければならないときは、左手で軽く握っておき、両手で合掌したら再び左手に持って歩く。
動作を味方につける秘訣は、ズバリ「曲線」「シンメトリー」だ。これは好印象を与える動きの基本。曲線(カーブ)の動きは、人を安心させ、和ませる。四角より丸い形のほうが、優しさ、柔らかさを感じさせるのと同じことだ。親しみを生むイメージを動作にも取り入れてみよう。シンメトリーとは、「左右対称」を指す。たとえばものの受け渡しは片手より両手で行ったほうが、安定感が増し、ていねいな感じがする。これがシンメトリーの効果だ。反対にバランスを欠いた非対称の動きは、人を本能的に不安にさせる。さらに人目を引くアクションは、「斜め」の動き。これは、通常にない非日常の動きで、優雅さをプラスしてくれる。たとえば自分から見て左側にあるものは、左手でとるよりも右手でとったほうが、動きが大きくなって人目を引く。商談やプレゼンの場では、大きくゆったりしたアクションを心がけよう。たとえば下から円を描くように両手を広げる動きは、見事に「曲線」「シンメトリー」の要素が入っている。大きな動きで、話に躍動感や華やかさを添えることができるのだ。